エビングハウスの忘却曲線の正しい意味

エビングハウスの忘却曲線の正しい意味

こんばんは,風見オタクです.

 

みなさんはエビングハウスの忘却曲線」という言葉を聞いたことがあるでしょうか.

そして,その内容を正しく理解しているでしょうか.

これはエビングハウスという学者が記憶に関する実験結果をグラフで表したものなのですが,世間では少し間違った解釈がなされています.

 

それは,このグラフが「記憶の定着率(忘れやすさ)」を表しているというもの.

これは間違いです.

 

皆さんはこんなグラフを見たことがあるのではないでしょうか.

 

 

この図を見ると,20分後には記憶の42%を失い,1日経つと66%忘れてしまうというように受け取れます.

本当に?

いやいや,さすがにこれはおかしい.

だって,皆さんは翌日に記憶の半分以上を失ったと実感したことがありますか?

私はありません.そんなの記憶喪失レベルですよ.

 

エビングハウスの忘却曲線を正しく理解するためには,実験が行われた背景を知る必要があります.

そもそもエビングハウスが行った実験というのは,

「子音・母音・子音」から成り立つ無意味な音節(rit, pek, tas, …etc)を記憶し、その再生率を調べる.(出典:Wikipedia)

というもの.

 

具体的に説明すると,

「rit,pek,……」といった無意味な文字列を被験者に提示し,「はい覚えて!」といって覚えてもらう.

全てを覚えるのに仮に100分かかったとしよう.

そして20分後に「はいもう1回覚えて!」と言う.

すると今度は覚えるのには40分かかったとする.

 

これは,最初と比べて60分節約したことになる.割合としては60%の節約になる.

これを節約率という.

 

そう節約率

エビングハウスの忘却曲線の縦軸にはこの節約率がくるのだ.

正しいグラフは以下だ.

 

 

重要なことは2つ

1.無意味な文字列が対象だということ

2.定着率ではなく節約率だということ

 

つまり,受験勉強に置いて

「1日経つと勉強したことの66%も忘れてしまう!」

なんていう謳い文句は見当違いも甚だしいということ.

 

実際,学問のような意味のある記憶については,忘却曲線がもっと緩やかになることが知られている.

 

だから,100個の英単語を覚えて24時間経過すると,そのうち66個を忘れているという解釈は間違いだ.

 

かといって,じゃあ忘れないのかというとそうではない.勉強において復習は重要だ.

ちょっと話はそれますが,短期記憶は30日しか保たれないと言われています.

つまり受験勉強において内容を定着させたいのなら,30日以内に復習する必要があるということ.

実際は30日も経つとかなり忘れてしまうので,もっと短期間に何度も復習する必要があるのですが.

そうすることで長期記憶へと移行するのです.

 

私がこの記事で伝えたかったのは,間違った理解のままだといずれ不具合が生じることがありますよいうこと.

これは別にエビングハウスの忘却曲線に限りません.

人に間違った情報を伝えるのは避けるべきですし,自分が知識を行使するときに間違った方法をとってしまうことにも繋がります.

 

皆さんも,常に情報が正しいかどうか精査する癖をつけましょう.